マダガスカルの復元計画
一九九〇年頃。マダガスカルで広大な面積を占めていたアルオウディア・プロケラの乾生林がいたるところで姿を消しました。そこで復元のボランティアが計画されたという話を以前に聞いたことがあります。
復元には五段階のシステムがあります。とはいっても、本来の樹種だけを植えるのではないところがおもしろいところ。
第一段階は外来種の除去。輸入され、栽培されているうちに野生化したサボテンがこれにあたります。サボテンは刺があって、茎や地下部の一部が残るとまた生えてきて作業はたいへんだそうです。
二段階はアルオウディア・プロケアの植樹。
三段階は薬草、観賞用に売れる植物を木と木の間に植えます。換金性のあるものを栽培することで住民の自活をサポートするんですね。
四段階はいなくなった動物を連れてくる。つまり、動物が食べられる草などを植えるわけです。たとえば蝶ならば蝶に関係のある植物を植えます。
五段階は住民との共存。薬草を植えたり、木工細工用の木を植えて食器、動物の彫刻などの観光用品ですね。
さらに学校の開設です。住民が自活しながら、子どもの世代に木の大切さを教えてくれるようになります。
これは短期間の復元は無理なようで、普通10年がひとつの目安になるそうです。住民の子どもが大人になるときに結果が現れるわけですね。
たいへんですが、やりがいのある仕事なんですね~。